鋭く甘い視線の先の獲物


「随分遅い帰りじゃねぇか」


「……飲んでたのよ」


「女が一人で夜中に帰宅してんじゃねぇよ」




色男はロビーのウィンドウに背中をもたれさせ腕組みをして私を見下ろしてる。


その低く迫力のある口調からは苛立ちが伺えなくもない。


まだ機嫌悪い…?




「帰るぞ。ねみぃ…」


「……………」




色男は私より少し先にエレベーターへと向かって歩いて行く。


もしかして…
私を待ってたとか…?



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