SleepingBeauti
河内百合の存在は砂漠に忽然と湧いたオアシスのようなものだ。

そのオアシスに沢山の人間が群がった。

しかし、ほとんどの人間がそれは蜃気楼で、まぼろしだったと、落胆して散っていった。

中には蜃気楼だろうが、まぼろしだろうが関係なくしがみつく者もいた。

それが山下だった。

山下は作業主任の立場を遺憾無く発揮し、河内百合に近づいた。

合法的、かつ大胆に。

そして、見苦しく。
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