シルバーブラッド ゼロ
「あたしは奥にいるわ。あなたはここにいて、銃を探して。どこかにあるはずだから」

「奥?」

中に足を踏み入れながら訊き返そうとして、肺に吸い込んだホコリにむせてしまった。

エイジュはその間に、平然と、廊下の奥に消えてしまった。

そういえば“銃を探せ”とか言ってなかったか?
 
ここは日本だぞ?
 
しかもこんな廃屋に、何だってそんなものがあるんだ?
 
浩之は左手の部屋を覗き込んでみた。
 
奥に向かって細長い部屋に、大きな窓がある。
 
白っぽい、薄っぺらなガラスが何枚もはめ込まれた窓だ。

そこから、光量の落ちてきた陽の光が入り込んで来ている。
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