王子様は生徒会長

運命の出会い

そして私達一年生は入学式の行われる体育館へ行った。

指定された席に座ると、保護者席のお母さんの顔が見えた。
なんか、安心した。

「これから聖修中学校第三十二回入学式を行います」
校長らしき人が挨拶する。
なんで校長っていう役職の人は脂ぎったオジサンが多いんだろう?
そんなことを思いながら私は校長の話を聞いていた。

「それでは、生徒会長の話にうつります・・」
そんな校長の声も私の耳には届かない。
ゆっくりとした校長の声とカーテンから染みてる朝の光が私の瞼をふさいでいった。



「丸原さん!!起きて!丸原さん!」
「へ・・?だ・・だれっ!?」
「もう入学式終わるよ?起きなきゃ!」
「あ・・ありがとう」

時計を見ると9時45分。
最後に時計を見たのは9時13分。
もう30分以上経っている。
睡魔に勝てなかった・・か・・・。

起こしてくれたのは出席番号が前後の盛川延太くん。
顔はイケメン。茶髪の少し伸ばした髪。すらっと伸びた手足。座っていても分かる身長の高さ。
けっこう好みかも。


「じゃあ、校長先生の話にうつります」

え・・
誰?
ステージの上には「「真面目っ子」」の見本のような生徒が立っていた。

「ねぇ、あれ誰?」
「えっ?あ、あの人ね・・。生徒会長だよ」

盛川くんは戸惑ったように答えた。

生徒会長か・・

教育委員会のオバサン達が見たら、「全校生徒の見本になるべきだ!!」とでも言いそうなくらいの7:3わけにメガネ。制服もピシっと着こなしていて第一ボタンの上のホックまでがちゃんとしまってる。

こんなのが生徒会長かぁ・・
もっとイケメンが良かったなぁ・・
前髪のばしてて顔あんまり見えないし・・

真面目な生徒会長だったら、むっちゃ真面目な校則ありそう&できそうでイヤだなぁ・・

そんなことを考えている間に、入学式は終わっていた。

これから、どんな学校生活になるのかなぁ・・・




< 2 / 39 >

この作品をシェア

pagetop