王子様は生徒会長
「ちょ・・」
「何?」
何?じゃないでしょ!?この人!!

「なんでキスなんかっ・・」
「あ?理由なんかねぇよ」
「じゃあなんで・・?あ・・アンタ、キス魔なワケ?」
「誰がキス魔だ」
「だって・・」
普通の人は意味もなくキスしたりしないでしょ?
恋人でもない人に。

「ホラ、着いたぞ」
チン、という音と共に開くエレベーターのドア。
エレベーターを降りた私の目に入ったのは、床一面の高級そうな絨毯とシャンデリア。
こんな光景・・生で見れるとは思ってなかったです・・。

「すいません・・ここはお客様のような方がいらっしゃる場所では・・」
店員がおずおずと話しかけてくる。
まぁ、実際普通の中学生が入っていい場所ではないけどね・・。

「電話していた草野ですが」
生徒会長は勝ち誇ったような笑顔で店員に言う。
「し・・失礼しました・・草野様ですね?奥の個室を用意しております・・どうぞ」
「そりゃどうも♪」
生徒会長の威力・・
恐るべし!!

「どうぞ・・ではごゆっくり」
案内された個室は、あまり広いとは言えない部屋で、シンプルかつ、どこか高級感の漂う部屋だった。

「中・・以外と狭いね」
はっ!!つい口からこんな言葉が出てしまった!!
せっかく連れてきてくれたのに、超失礼だよ!自分っ!

「だって広かったら庶民の妃那ちゃんが戸惑うと思ってさ」
なっ・・!!確かに庶民ですけど・・
「悪かったですね!庶民でっ!!」
「悪いとは言ってねぇじゃん。じゃ、なんか頼もうぜ」
「ッッ・・うん」

「どれにする?」
見せられたメニューに頭が真っ白。
だってさ・・コース料理が最低6000円で単品でも最低が2000円くらいだよ!?

ありえないって!!

「おい・・!」
完全に頭がフリーズしている私に言葉を浴びせてくる生徒会長。

はっ!!
今、我に返って来れました・・。

「俺はこれにしたけど・・妃那、なんにした?」
なんじゃこりゃっ!!
15000!?15000のコース!?
・・・無理だよぉぉぉぉぉぉぉ・・。
だってお金無いモン・・
払えないモンっ!!

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