かんのれあ
山崎さんも、前みたいにいい加減な態度を取る事はなかった。



躓いて、くじけそうになった時、

自分の知恵を分けてくれる河野さんとは反対に、


「それは俺じゃなくて、かんのさんが考えなきゃいけない事でしょ」

―――なんて
何度も厳しく言われたけど、

山崎さんは、あたしに意地悪したくて言ってるんじゃない事くらいはわかった。



あたしが河野さんとの作品を、無理矢理掻き回されたくないのを知って、それを言っていた。



そして、山崎さんの憎まれ口が、時にはバネになってる事を、知ってのことだった。
< 113 / 200 >

この作品をシェア

pagetop