かんのれあ
六章 綴る想い、そして…
夕方から始まった立食パーティーが終わると、外はすっかり暗くなっていた。



今、あたしたちは、2次会の会場に来ている。



出版社単位で行う立食パーティー――1次会に対して、

2次会は、別の場所にて編集部単位で行う。


ただし、この2次会は外部賞を受賞した作家さんが、

賞金で自腹を切って催してくれるものなので、

年によっては、もしくは編集部によっては1次会で終わる事もあった。



2次会の会場は、居酒屋ともレストランとも言えないような不思議な場所で、

飲み物を探すにも一苦労した1次会の会場に比べ


人の密度は変わらないものの、落ち着きを感じる程度の広さだった。


けど、ここで繰り広げられるのは、

1次会と同じような緊張の付き纏うやり取りと、何ら変わりはない。


それなのに、
あたしは、あの息苦しい苦痛を感じることはなかった。
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