デスゲーム
◇第一章◆

命の日記

















家に着いた







当たり前と言えば
当たり前のことだが


ぼくは何事もなく
家に着くことが
出来た…



なるべく急がず



家の扉を開け
なるべく普通に
ドアを閉めた…











たかが10万円で
こんな気持ちに
なるなんて
思わなかった



いや、別に
金額の問題では
ないのだろう



事が違えば、たとえ金額が
100万円でも



悠々とした気持ちでいられるだろう…



何というか…



金の後ろにある
【やましさ】
が問題なんだと思う…



この金が
普通のルートでは
ない金だということは



何となく
自分自身
分かっている…



分かっているんだ



でも警察に
正直に話しに
行くほど



ぼくは、
強い人間じゃない



バカ正直に
生きるには



この
現代の世知辛さは
身にしみている…







2010年の現在…






大不況の中
先も見えない
不安だらけの
毎日…



ぼくは
生きることに
不安を感じていた…


そんな矢先の
天からの
授かりもの的な
10万円なんだ




チャンスをくれた…






神さまがチャンスをくれた…







そんな気がしていた…








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