甘いkissを君に―。
「ねぇ、角井美羽さん。
 あたしね、黒川美砂ってゆうんだけど・・・。
 転校生が来るって聞いて、気になってたんだ・・・。
 よかったら、友達にならない・・・?」

背中まで伸びたさらさらのこげ茶色の髪。二重のきれいな目。すらっとした鼻。

ぷっくりとした唇。整った輪郭。

そんなきれいな女の子があたしの数メートルほど前で足を止めた。


もてるんだろうなぁ・・・。


そんな彼女の姿に見とれてしまっているあたしは、もちろん、彼女の声など耳に届いていない。


「・・うさんっ!美羽さんっ!」

「は、はいっ!なんでしょうかっ!」

「もう、聞いてなかったの?結構恥ずかしいこと言ったのに・・。」


口を少し尖らせながら言う彼女。


そんな姿を見ていると女のあたしでも惚れてしまいそうになる。


「だ・か・らっ!友達になりませんか?」


今度はあたしの耳にも聞こえるような大きな声で言う彼女。



えっ・・今なんと?


トモダチ・・・?


「はいっ!もちろんですっ!」

「じゃぁ、決まりっ!」

「よろしくねっ!」

「こちらこそよろしくねっ!」


そう言って笑顔であたしに手を差し伸べてきてくれる彼女。

あたしはその手に自分の手を重ね、ぎゅっと握った。







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