甘いkissを君に―。
机をバンッと叩き、いすを引き、立ち上がる。

すると、みんなの視線が一気にあたしに集中した。


「あたし、角井美羽は第二南中出身で今まで、南高にいましたっ。
 でも、あたしのお父さんの転勤が理由でこの東高校に転校してきましたっ。
 ちなみに5月8日のおうし座。
 血液型はB型ですっ。好きなものはトマトとフルーツ。嫌いなものはにんじん。
 趣味は人間観察。特技も人間観察。
 あっ、あと、小・中とスイミングをやっていました。
 只今、友達募集中っ!よろしくおねがいしますっ!」


みんなは唖然とし、口をポカーンとあけている。


ついさっきまでガヤガヤとうるさかった教室が一気にシーンと静かになった。




「は、はは・・・・ははははっ!」



そんな中で小さな笑い声が聞こえた。


その声のするほうにゆっくりと視線を向けると、


おなかを抱えて笑っている皆川君の姿があった。



「おもしれぇ奴っ!
 つか、いらねぇことまで言ってるし。」


彼にそう指摘され、ハッと自分のやってしまったことに初めて気づく。


あんな堂々と恥ずかしいことをしてしまったなんて・・・。


穴があるなら入りたいっ!!!



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