身体とお金〜Last Love〜

流れた涙

あれから彼は私が退院するまで通い続けた。
あの時の言葉を聞かなかった様に

私は辛かった。
彼の笑顔を見てると…

こんな感情を持たなかったら私達は今まで通りの関係だった。
それが気付いた日から歯車が狂いはじめた。

出来るなら戻りたい…
あの一番最初に出会った時の関係に…
でもきっと…彼も私も望んでないのかもしれない

普通に恋人になって、手を繋いで毎日メールをして声を聞いて…
毎年のイベントを一緒に過ごす

きっとそんな事を当たり前に出来る関係になりたいんだよ!!

「今日もいい天気だね!また二人で散歩に行こう」

彼は優しく手を握り言った。
そして…
私達はまた散歩に出た。
まるで今まで離れて恋人みたいに、お互いの距離を縮める様に…
私にはそれが辛かった…私の気持ちは決まってるはずなのに…
この揺れる気持ちは何?なんで…こんなに揺れてるの?

彼の背中を見て歩いてる私
彼とはまともに口…話すらしてない…
「暖かいね…実はね…会社の人がもう君とは会うなって!俺の事心配してるみたい」
「でもね…俺は君といる方が好きなの!この時間が好きなんだ!君はどう?」
彼はずっと話し掛けてくる。私は遠くを見つめたままだった。

そして…

「退院する時はクリスマス…覚えてる?約束」
「クリスマスは二人で過ごそう!そしてこれから先も」

その言葉を聞いて私は…

涙を流した。
一筋の涙が頬をつたった
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