【完】スマイリー☆症候群



「……清水に了承を得てきたぞ」


その声の持ち主である亮介は、私に近付くなり耳打ちし始めた。


「ホントに!?」

「ああ」


……これで、材料は全て集まった。


「ありがとう、亮介」

「いや、当然なまでだ」


一先ず作戦成功で安心した私は、静かに息を零した。


「椿ちゃん、植木くん、どうかした……?」


丸い大きな瞳が、私達を不思議そうにじっと見つめる。

当然ながら、さっきからコソコソと2人で会話をしている私達に、笑佳は何か不審感を抱いたのだろう。


「「な、何でもない(わ)!」」


ギクリと強張る身体を必死に押さえ付け、私達は咄嗟に大きな声を上げてその場をごまかした。

< 246 / 314 >

この作品をシェア

pagetop