【完】スマイリー☆症候群
もう終わった。全てが台無しだ。
私の目の前には、三途の川がはっきりと見える。
だって、こんな玩具の髭や鼻がついたメガネで人を欺くなんて、出来るわけないじゃない。
……そう、私が完全に諦めを感じた刹那。
「ごめんなさい、私の友達に似ていて……人違いでした」
「いや、人違いなら仕方ない。謝らないでくれ」
あっさりと奴の策略に、笑佳ははまってしまったのだ。
パーティーメガネ、恐るべし。
まさか、こうも簡単に信じるとは思ってもみなかった私は、目の前のやりとりに少しの間唖然としていた。
「確かに、2人にそっくりだよな」
笑佳の後ろで見物していた清水は、腕組みしながらようやく口を開く。
そっくりってそりゃ、本人だもの。