【完】スマイリー☆症候群



しかし次の瞬間、彼から放たれたその言葉は、俺の心を酷く動揺させた。


「わかったぞ。宮永のことだろう!」


自信たっぷりに含み笑いを浮かべる植木。

俺は、驚きのあまり目を見開く。

コイツ、ホントに俺の知ってる植木か!?

信じられねぇ。……いや、信じたくない。

つーか、妙に勘良すぎだろ今日。

何でこんな時に限って、いつもは宙に浮いてる思考が正常に働いてやがんだよ!


「どうやら図星のようだな」

「うっ……」


逃げられない。

真っ直ぐな瞳に見つめられ、何故か不意にそう思った。


「彼女と何かあったのか?」

「……あった。あったからこんなに悩んでんだよ」

「そうか」


大きく溜息を吐く。

そんな俺に、植木は真剣な表情で話しかけた。



< 275 / 314 >

この作品をシェア

pagetop