【完】スマイリー☆症候群
「俺は罰を受ける。元々俺が決めたルールなんだ。だから、ルールに背くことなんて出来ない」
純白極まりない彼の様子。
私はそのあまりの純心さに、目を丸くして声をあげる。
「……っ! 清水くん駄目だよ!」
「……宮永、もう良いんだ。皆、頼む。俺に、罰ゲームを与えてくれ」
迷いなんて感じられないほど、真っ直ぐに親指を突き立て前に出す清水くんの顔は、何だか輝かしくて、格好良かった。
……と、その時。
――プシューッ。
「到着いたしました。忘れ物がないようご確認の上、足元に十分お気をつけて降車下さい」
大きな停車音と共にバスが停まったのとほぼ同時に、バスガイドさんのアナウンスが車内に鳴り響いた。