【短編】無関心な彼女
「克巳って、わざとでしょ。」



私は、抱きついたまま聞いた。


「なにが?」


「いつものハーレム状態。」


「はぁ。
気づいてたわけ?」


克巳は、ため息をついて確認してきた。


「気づいてないよ。
だって、羨ましいなって見てたから。」


「羨ましい?」


克巳は、意味がわからないみたい。


「うん。
ハーレムが羨ましいなって。」


「それだけ?」


「うん。
克巳、私にヤキモチとか嫉妬を求めても無駄だからね。」


言っておかないと、これから先も面倒な事になるだろう。


「なんで?
女の子なら.....」


そりゃ、普通の女の子ならね。


「克巳が、私以外の女の子と目の前でキスしたとしても妬けないよ。」


「なんでだよ。
まあ、そんなんしないけどさ。」


心なしかショック受けてる?


「なんて言うのかな?
克巳は、私を本気で好きなんでしょ?」


「俺が美都を本気で好きならいいわけ?」


やっぱ、伝わらないかな?


「私は、その思いしか信じないから....」


信じたくないの。


だって、怖いもの。


無関心で興味のないフリをしていれば、傷つくことはないでしょ?


逃げになるけど、仕方ないでしょ?


傷つきたくないんだから。
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