太陽はいつも雲の上で照り輝いている
母、父の病気から、一年

父の再発もなく、時が止まる事無く流れていく

僕にとっての25回目の春の訪れ
朝の息はまだ白く、春の足音が、かすかに聞こえる、肌寒い毎日


いつもの時間を過ごす仕事中……一本の電話から
その、迷い込んだ巣の悪魔は襲い掛かってきた……

予想もできない

強力な力で……


プルルルル〜〜〜〜

『つとむ君!お兄さんて方から電話やぞ』

『兄から?えっ?兄から』

あり得ない…
兄は職場の電話番号は知らないはず…しかも、兄が職場に電話……

体が硬直した、、
ヤバイ!
一緒にして、僕の体は凍り付いた……

『もしもし、なんや?兄貴?どないしたん?なんかあったんか』


『お母が倒れた……』

『はっ、、なんでや、何があったんや』

『とにかく病院に一刻も早く来い!そんな状態やから』

『わかった!直ぐに行く』

一刻も……早く、、、、

その意味を把握したのは、駆け付ける車の中
病院までは約一時間、その道のりは何十時間と思わせる心境の道のり……

頭の中は空っぽで、全くどの道を走ったか記憶になかった

兄からの電話は午前11時

病院に着いたのは、もう午後1時だった
がむしゃらに救急外来に行くと、そこには兄だけが、長椅子に仕事着のまま座っている

『お母は!お父どこ行った!?』

兄の口から、それはこぼれた……か弱く小さな声で
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