太陽はいつも雲の上で照り輝いている
一時間間がすぎ…


『お母?お父遅いな?40分くらいで終わる言うてはったのに?』

『大丈夫なんやろか?』


長く長く感じる1時間が過ぎた時、、


『お父、、、!』

青ざめて、ぐったりとした、見たことの無い、父の姿

頭を下げ、息は浅く繰り返し、体はまるで軟体動物のような、、、

『長かったな、大丈夫か』

父は、声を振り絞りながら
『はぁ〜〜辛かった、痛かった〜』

『よう頑張ったな』
月並みな言葉しか出てこなかった

車椅子に乗り、看護師さんに押され、病室へ

先生の話があるとカンファレンスルームに……


……『どうぞ、こちらに』
体に緊張と言う電気がはしった

『で、どうだったんですか?聞いていた時間よりかなり過ぎてたんで心配なんですが』

『説明しますね。癌はすべて取りました。幸いにも、リンパ節には浸潤していなかったのでよかったです。時間が、かかったのは、最後の一つがS字の所にあり、非常に切除に時間がかかってしまったのです。でも、取り切りましたので大丈夫ですよ。後は、しっかり経過観察していきましょう』

母の背中をさすりながら
『よかったな、お母』

でも、母の体は小刻みに震えていた


『ありがとうございました。先生』

『来月に一度、血液検査をして、マーカー異常みとめなかったら、3ヶ月に一度来て下さい』

母は、こぼれそうな涙を、顔を少し上にしながらカンファレンスルームをでました。

『お父、夕方に帰ってええねんで!悪い腫瘍は、深く進んでなかったから、取り切ったから大丈夫らしいで。早い段階で内視鏡で取り切れたから、夕方まで様子診て大丈夫なら帰れる』

『そか、そしたら祝い酒やな』

『お父さん調子のりすぎ』

少し、ぎこちない歩き方だが、父も笑顔で歩き、その足は軽くにも見えた

嵐は去ったかに思えた一時……

しかし、病の巣に迷い込んだ、僕たち家族は

抜けれないまま、また、その時をむかえる……

人生の上り坂、下り坂は予測がつく
でも、たったひとつ
予測がつかない坂がある

間坂、、、まさかです
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