太陽はいつも雲の上で照り輝いている
《七章》出会う人、出会うもので人の運命は変わる
心配していた1日も時間が流していく
丸一日意識がなかったお母、、約二日後の面会

頭には白い帽子、口には顔半分見えないくらいのマスクをして、服もICU専用服に着替えてお母の場所に


『母さん…わかるか、よう頑張ってくれた』

『……』

『お母、よう頑張ったな、つとむや、わかるか?』

『……』

お母は、ただうなずくだけで、声を出す力もなく、ただただ、首をたてに振るばかりだった

面会時間は、たったの5分しか許されなかった…
お父は、お母の頭をなで、笑いながら

『また、明日くるしな』

お父の背中を必死に目で追い掛ける、お母の表情が寂しく見えた

『お母、また来るし』

お母は、小さく小さく
ありがとうを言った、、、そんな目をしていた

【生きてくれて、ありがとう】

その言葉は、僕が今、母に一番言いたい、大切な言葉だった。


翌朝……

『お父!めちゃくちゃ早いな、まだ6時やで、行っても面会できひんで』

『あっ、そっか』
もう、父は1秒でも母のもとに行きたくて
家中をソワソワ、ウロウロ
まるで、初めて家に来た子犬の様


そして、僕の愛犬てある
名前は【いぶき、ベル】の散歩をして、2人で朝食…

『ホンマ、病をもらいすぎやで、お父とお母』

『なるもんは仕方がないやろ、つとむも気をつけろ』

『なんや、他人事みたいに言うなぁ〜その言葉、そっくり返すわ』

8時に家を出て病院へ
車で約20分の距離


『面会にきたんですが』

『お呼びしますので、お待ちください』

ICUへの面会は簡単にはできない。容態チェックを済ましてから、面会でくるか判断される

『どうぞ、服、マスク、帽子を着用して入ってください』

いつ、来てもICUは
緊張する…入りづらい、、、、
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