太陽はいつも雲の上で照り輝いている
2日過ぎた朝


今日は、昼から地蔵盆

地蔵盆には、もちろん、お地蔵様があります

この、お地蔵様には、アンビリバボーな物語が……

それは、父が、30歳を過ぎた頃………


『母さん、母さん、わし、山に行ってくる』

『えっ!?山に』

『夢で!夢で、お地蔵様が助けを………』

『夢ですよ、夢』

『とにかく、行ってくるから!』

『お父さん、、、』

そう言うと、朝早くに父は近くの見慣れた山に入り込んで行った

昼をまわる頃


『母さん!お地蔵様が三体!お地蔵様が居たぞ』

土で泥まみれになった、両脇にかかえられるくらいの、お地蔵様をしっかり抱き締めながら帰ってきた。お父も泥まみれになりながら

それから、このお地蔵様を纏り、近所の人達のお世話も受けながら、何十年経った今も、赤い前掛をしながら、丸い大きな金木犀の木の横で笑っています。

お地蔵様に、いつも、家族の幸せを願っていた。
この場所も、今は少し風景を変えながら時を刻んでいます。奇跡のような、父とお地蔵様の物語。今、思うと父には、何か不思議なものを感じていた。


何日か過ぎ、僕達、家族は家にもどり、また、いつもの生活を始める………

つもりが……


『お父さん、、今日も19時を回っても帰ってこないね…また………』

『お母………』


父は、食べ盛りの三人の息子と家のローンの為、何よりも、火葬場に休みがないと言う理由もあり、365日の350日は、働き詰めでストレスを溜め込み、大好きな、お酒を毎晩の様に呑んで帰ってくるようになったのです、、、

その日々は何年も続いて居ました。
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