天使

そう、願い


朝起きて

ご飯を食べ

歯を磨き

顔を洗い

コンタクトを入れ

服を着て

ピアノを弾いた

久しぶりに鍵盤に

触れた。

優しくも温かな音色が

私の耳を刺激する

うっとりとするほど

心地がよかった。


『確か、ピアノ弾けたよね…』

不意に思い出し、私は椅子に腰掛ける

とりあえず課題曲をと

『月の光』

でも最後まで行けないので、

『ノクターン』


妙に下手くそだった


これ、聞いてるかな

聞けてるかな?

ねぇ、追悼って

言えた?

私はまだ理解出来ない頭で、呟く

そう、願い

そんなものだ。

たかが知れてる


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