まほろば【古代編】
相変わらずアオは屈託なくオレと接してくれる。

その変わらないところがとても安堵できるところでもある。

そこでやっとアオにトヨについて聞く余裕が出てきた。

「ところで、トヨの様子はどうなんだ?」

アオに会うのは本当に久しぶりで、その間、もちろんトヨにも会えていない。

徐々に変わり始める国の様子に、何もすることができない自分が歯がゆく、また、それゆえにトヨの様子がどうしても気になった。

「うーん、特に変化はないよ。でも、いつも何だか忙しそう」

だからおいらもあまり会えないんだと少し寂しげに付け加える。

だが、今のところ目に見えての変化は起こっていないということだろう。
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