まほろば【古代編】
「プッ、アハハハハハ。二人とも、ホントなんて顔してんだよ」

罰が悪そうに顔を見合わせるトヨとアオが、アキのその笑い声につられるように同じように笑い始める。

三人は久しぶりにひとしきり心の底からの楽しそうな声を発した。

「あー、おかしすぎて涙が出てくるよ。うん。この国にはやっぱり笑顔が必要だ」

涙を拭いながらアキが改めて二人に視線を送る。

「「うん」」

二人の息のあった返答に、アキが静かな笑みをこぼす。

「アオ」

顔を引き締めたアキに、アオも笑みを消し真剣な面持ちで向き合う。
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