罪人の恋~少女side~【短編】
「(……もし願いが届くなら)」

少女は虚ろな目で天井を見つめた

「(あの子のもとへ……行かせてください)」

そして目を閉じる瞬間

手に紙と、手を包む暖かい感覚がした

目を動かすと

少女の父親が、少女の手に手紙をもたせ

優しくその手を包んでいた

父親の表情は

柔らかく、優しいものだった
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