晴天
「えっと…コウヘイさん?」
「なに?」
「シュウ…なんかあったんですか?」
聞いてわいけない様な気がした。でも、口が反射的に動いてしまう…。シュウが、余計に悲しそうな顔になって行く。
「シュウ、今さっき彼女にふらて、めっちゃおちこんどるんよ」
「あ…そう…なんですか?」
シュウは、ゆっくりうなずいて、ミサの顔を除きこんで来るように言った。
「美紗は、俺のこと捨てん気がした。だから、必死に告白した。ごめんな」
「ううん。悪いのはミサだよ?何にも知らないで聞いて、ごめんなさい」
2人が誤った所でコウヘイはどこかへ去っていってしまった。
そのとたん…気まずい空気が2人の間をゆっくり流れていく。コウヘイ、呼び止めとけばよかった…。
ミサ、こう言う空気嫌いだな。なんか、空気の重さに耐え切れなくなっちゃいそうで、困る。

「美紗?あのさ…」
そんな中を割って入ってきたのは、ユウヤだった。
優しい瞳に澄んだ声、すらっとした鼻に180はありそうな身長。いつ見ても、ユウヤはみんなの憧れそのものだった。
「美紗、今日遊べる?」
「え…いつから?」
「放課後に決まってるじゃん?」
…生れて初めて…じゃないかもしれないけど、男と遊ぶ。期待半分、不安半分。ピンクとクロのマーブルが、ミサの頭の中で闘ってる。
「だめかな?俺、ミサと遊びたいんだけど」
「ん~良いよ!」
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
昼休みが終わりを告げるチャイムが鳴った。次の授業は国語で、古文だ。そう思ったときに…ユウヤはミサに顔を近づけてきて言った。
「帰り、靴箱で待ってるから。」
甘く、ゆっくりと囁かれるように言われた言葉に、ミサは頬が赤くなっていくのを感じた。
サエは、こっちを見てニコニコ笑っている。きっと、サエが仕込んだおいたのだろう。帰りに聞いてみよう。
そして、5時限目が始まった。
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