晴天
明日……学校行きずらいな…。でも、ユウヤ、来るんだよね?ちゃんと返事したほうが良いのかな?もう、ミサの頭の中グチャグチャ…。

「美紗?お友達来てるわよ?」
朝、目覚まし時計もならない時間からお母さんが階段の下から叫ぶ。
「だれ?」
「たしか~脩って言ってたわよ?」
ハ?シュウ?シュウ?シュウって…あの、ユウヤの友達のシュウ?私に告白してきたシュウ?何で、私の家知ってるの?

疑問をいだきながら、階段を一段一段下りていく。玄関の方へまがろうとして、ふときずく。ユウヤが教えたんじゃ……だとすれば、きっとユウヤもそこに居る…。
……何分考えただろう。自分の中では、もう5分は考えただろうか…やっと決心して、玄関の方へ向かう。
「美紗!待ったよ~!」
「あ…シュウ…」
「どうした?なんか浮かん顔しとるな~」
…シュウは痛いところばかり突いて来る。昨日、ユウヤに告白されて、学校に行きたくない…なのに制服で私の前に現れている事、一番言われたくない一言を言われた事。
シュウって意外とKY。空気、読んでほしいよ…。
「…シュウ、何のよう?」
「あ~俺、美紗を迎えに来た。一緒に学校行こうぜ☆」
「何で、ミサの家を知ってるの?」
「ユウヤに教えてもらった。でも、ユウヤ居ないから、安心して」
昨日とは少し違う。テンパった感じのシュウは跡形もなく消え去り、とても落ち着いていて、笑顔が爽やかになった。
そんなシュウを見ると、何かが許されるような気がして…ついつい、優しい口調になる。
「じゃぁ、中入って待ってて。すぐに準備してくるね」
「うん。待ってる!はよ降りてこいよ?」
「そんなに時間かからないよ!」
きっと古林も…アユミの家に迎えに行って、こうやって楽しい朝を迎えてるんだろうな…。
そう思うと、心が凍りついたかのように、ズキズキと痛んだ。
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