晴天

ミサは、美術室に移動する前に、ちょっと教室でサエとちょっと話すことにした。
「あ～！超おなかすいたァ」
「え～？美紗、朝ご飯食べた？？」
「食べたに決まってるでしょ？パンだけ…」
「おなかすくに決まってんじゃン！売店開いてるかな？」
「あ～良いよ、サエ。もうすぐ一時限目始まるじゃん。教室行こう？」
教室のドアを見ると、なにやら人影がうろついていた。
っと思った瞬間、ドアが勢いよくバタンという音を立てて開いた。不良じみた４人の男たちがミサとサエがいる教室に入ってくる。
「こんにちわ～！」
「こんちわ。」
ミサとサエわそろって挨拶を返した。その瞬間、男の中の一人が、軽い口調で話し始めた。
「俺の名前分かる？えっとね、脩って言うんだ～」
「ハイ。」
「連絡先、教えてくんね～？」
ミサとサエは、顔を見合わせて、少し悩んだ。いかにも悪い事に利用されそうな勢い…でも、教えることにした。
「私の携帯番号わ…」先に連絡先を教え始めたのは、サエだった。教えてる間、ずっと一人だったためか。じんわりと汗をかいてくる。
そんな時に、ふと目が合ったのわ、４人の中で一番背の高い男の人だった。ミサわすぐに目をそらした。
「…緒国さん？」
さっき目があった男が話しかけてきた。サエは、何かまだ話している様子だった。
「あのさ、俺に連絡先、教えてくれない？」
意外と柔らかい口調で、しっとりしたかんじの言葉が、とても印象的だった。
「…はい。えっと…」
「あ！俺、優夜。よろしく。」
「緒国美紗です。よろしくお願いします」
その後、連絡先を教えて、ミサとサエは美術室に向かった。