女心と秋の空〜ツンデレ彼女の涙の秘密〜

相合傘なんて何だかカレカノっぽいことにドキドキが止まらないじゃねーか!

くっそ。

雨が降らなけりゃこんな状況にならなかった訳だし、雨のバカヤロー!!

って、待てよ?

この状況はオレにとっては美味しいわけだから、やっぱ、サンキューか?


「おーい、雨原くん?」

「お゙ぉゔ」

「アハハハハッ!! 何て声出してんのよ〜。あ、緊張してるんだ?」


雨の音でオレの激しい心臓の音は聞こえなくとも、意識してんのはバレバレってか。

いや、あんな裏声出せばバレないわけがないよな。

雪村が突然声かけるから悪いんだよ。

なんて心の中で雪村のせいにしていると、


「そっか。雨原くんって私のこと好きだったね?」


再びケラケラ笑いだした雪村に、オレはこの雨に負けないぐらい激しく、全身から冷や汗が出てきた。


って、おい!!

誰もそんな事言ってねーし。

気になってただけだから!!

それも理由が分かったし、もう雪村を気にすることもなく……なる、し。

あれ?

何だか妙に寂しくなってね?



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