白と青の境界線

「麻央ーっ。どうしたの?」

「何でもない」

「よし、今日も頑張ろ!!」


スキップでもしてハイヒールを軽快に鳴らしながら先をゆく日向の後ろ姿を見て、込み上げてくる感情に苛まれる。

手を伸ばせばすぐに届きそうな距離なのに。

だけど……。

追っても追っても届かない。

そんな理由なんて分かってる。


追って追って届きそうだと思って、もし捕まえられなかったら、そう思うことが最後の一歩を踏み出せないでいる。


本当は追いたくて、

だけど追えなくて。


いつまでたっても最後は孤独を選んでしまう。

そのくせすぐ手前まで追いかける自分がひどく情けない。


そんな臆病な自分。



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