こっそり好きでも いーですか?
貴方に貸した本
今日、私、三浦 瀬名は 
貴方、土居 結城に一冊の本を貸した
「虹北学園 復活文芸部」という名の本を。
そう、それを結城は一生懸命に読んでくれてた。
何で、本を貸したか、それは
2時間目のことだった。図工の時間でコンピューター室に
絵を探しにいき、私たちももかと綾香は早めに見つけ
教室に戻っていたのだ。それから、廊下を歩く結城の
声が聞こえ、結城が戻ってきたことを知った。
そう、そのときだった。ももかに貸していた
私の本、それを結城が貸して。と言うのだった。
「瀬名ちゃん本貸してください。瀬名ちゃん本貸してください。
 瀬名~!」
はっと我に返った自分を見つめ返し、耳に残った言葉をたどる。
確かに結城の声だ。その結城の声で「瀬名」と言ってくれてる。
こんなに はっきり結城が私のことを「瀬名」と呼ぶのは
はじめてだった。
「本、貸して!」
「うん、」
私はうれしかった、うれしくて、うれしくて。
本を貸してあげたのだ。
理科室での余った時間、本を読んでた結城。
私は心がポワッと温かくなるのを感じた。
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