先生と王子様と演劇部な私。
「違う」



「え……?」

 予想外の答えに、息が止まりそうになる。



「二年までは、演劇部だった」

 朗先生は真っ直ぐ前を見たまま、無表情で言った。



「三年になってすぐ辞めたんだ」



 ――じゃぁ、朗先生は違うの……?


「そうなんだ……」


 私はがっくりと肩をおろした。




「何か問題だったか?」

 私の家の前まで着くと、暗い車内で先生がこちらを覗きこみながら聞いてくる。
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