先生と王子様と演劇部な私。
「いえ……」

 私が送ってもらったお礼を言って降りると、助手席のウィンドウが下がった。

「明日も部活、頑張れよ」


 朗先生は優しく微笑みかけてくる。

「はぁ……」

 私は力なく溜息をついて答えた。もう落胆してそれどころじゃないし……。 





「ご希望のシンデレラじゃなくても」




「!?」



 え? 朗先生、今なんて?

 私が口を開こうとすると、先生は意地悪そうに目を細め、車を走らせて行ってしまった。
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