このミステリーを読んだ!
主人公は小劇団を主宰する女優・紅林ユリエ。

その恋人で同居人のミケさんは、料理の達人にして名探偵。

どんな難しい事件でも、絶品の料理を作りながら見事に解決してくれる。

ただこのミケさん、ワケありの人物のようで、どうやら過去に罪を犯したらしい…というのが物語の骨子。

街中で雪を見つめながら立ち尽くすミケさんとユリエの出会いを描いた冒頭からして良い。

ユリエとミケさんを取り巻く登場人物たちとのやり取りはユーモラスだが、それとミケさんの過去が錯綜し、読んでるこちらはハラハラ。

ミステリーながら、月9ドラマを見ているような感覚に陥る。

それでいて肝心の推理の部分は本格ミステリーとしてしっかり読めるので、生粋の推理ファンにもおススメできる。

今回、改めて読み返してみたが、初めて読んだ時と変わらぬ感動を得る事ができた。

こういった良作を提供できる作家さんが48歳という若さで亡くなったのは惜しい限り。

ー合掌。

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