ドロイド進化論


「カインは……バイオノイドではないんです……」


──バイオノイドではない……?


 一瞬にして止まった思考が、ギチギチと音を立てながら、無理に動こうとする。


「バイオノイドではないって……だってカインはああやって」

 動いているわ、と言いかけた葛城は、はたと思い当たる。


「まさか……」


 青ざめた葛城の頭の中で、パズルピースがぐるぐると回る。


 今考えれば、確かに早すぎた。

 有機部分の培養に成功したと言ってから、たかだか数年。

 機械仕掛けの脳を支えるほどの耐久力を備えた有機体のボディを、たった数年で出来たのがそもそも不自然といえば不自然だった。

 しかしそれはひとえにサイバノイドの頭脳と、ヒトとは比べものにならない稼働時間があってこそだと思っていた。


──だが、そうではないとしたら?


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