溺れた愛のシルシ
- 襲撃
5分たっても
あたしたちはさっきの場所から
1歩も動いてない。
「那奈はさ...。潮田のこと。好き?」
「好きだけど…?」
りっくんがやっと口を開いたかと思うと、
その質問に答えたあたしを
また腕を掴んで塀に押しつけた。
「ど...したの?」
りっくんは…。
なぜか下を向きながら、
眉間にしわを寄せて…。
その姿はどうみても
誰が見ても、
怒りに満ちていた。
「へ...?」
りっくんがやっと顔を上げたと思ったら...