新月の夜
欲しい。お前が好きだ!初めて見た時から。路上で歌っていた。一目ぼれして。最初は隠れていた。4月だ。5月。言えない。見てるだけ。6月、気になる。男いるのかこっそり探る。」
「いたらどうしたの?」
「わからない。7月、とにかく近づきたい。何か方法を探す。そんな時、親父が、お前の進みたい道に進めばいい。それがお前の運命。干渉しない。無理強いしてさせない。自分に責任を持つんだ。吹っ切れたよ。次男だけどきっと継いでほしい。親父、言いたくないけど会社社長なんだ。親父は、だからって特別扱いされるのを嫌った。8月、近づいた。恥ずかしい。チビ、言葉で近付いた。怒った。…かわいい。毎日探した。いない日は帰る。少しでも一緒にいたい。そしてあの日、…いない。と思ったらピアス。探した。お前を見つけた時。あいつらは惚れた女を…悔しい、許さない!?更に、見せ付けたじゃないか。触れさせない!オレの女。殴られても倒れられない。今倒れたら。惚れた女の体が奪われる!死んでも守る!そんな気だった。麻友美は走ってくれた。雨。透けた服。照れた。他の人に見られたくなくて。でも本当は動くすら辛くて。強がって。ホテルに入った。」

「惚れた女に流そうと言われた時、ドキドキした。キスされたと思うと、嫉妬のキス。かわいい。痕を消したい。キスして、声にオレは全てを奪われた。飛び出す精液。オレは全てを捧げ。惚れた女を抱いた。かわいい。かわいい。欲しい、全て愛されたい。愛してる!…気付いた時、惚れた女は、横で裸で倒れていた。血…。そして黒いオレの精子。…オレのせいで惚れた女の失われた笑顔を見たくなかった!もし赤ちゃんできて、誰の子供か悩んで、言い出せず、一人で悩んだらと思ったら恐かった。ベッドに寝かせ、そっとキスして、祈った。どうか傷つかないでくれ。麻友美に生理が来たと知った時。ホッとした。このまま、知らなくていい。こうして、役員として出会った。毎日が幸せだった。…おととい、弓削が麻友美のお尻にそっと触れた。」

「嫉妬だよ。煮え繰り返るくらいイライラして、連れ出して、あの日と同じ場所で力でオレのものだというしるしをつけた。当然嫌われた。昨日、平手打ちされた時、どうにでもなれときつく言い放った…ごめん。」
「正直に言って!…恐かった。あなたに襲われた時の恐怖わかる?逃げようと這っても後ろから私を!?
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