新月の夜

この息子だ。つじつまが合わないなんて…いわゆるできちゃった婚でした。彼女は、不安から逃げ、一人で育てようとしました。捜し出した頃、いつ生まれてもおかしくない状態でした。私は、すぐに結婚を申し込みました。…何故話せなかったのか、父親の反対です。彼女は虐げられ、全てを隠すと引き換えに結婚式をあげました。父親が出席することのない式で、愛を誓い合いました。妻には感謝している。いくら虐げられても耐えて、父親の前では涙を見せず。二人でいる時に何度、妻の涙を見ただろう。これ以上泣かすことはいけない。ヘタレで、頼りない夫でも付いて来てくれた。何があっても絶対守る。遅いけれど、虐げられても命懸けで守る。ありがとう。もう、苦しまなくていいんだよ。」

ナオキはあさみに近づいて、優しく手を差し延べる。

「……。」

和也は、

「母さん。父さんに応えてあげて？ぼくも責任とるから、ね。」
「そんなの…二人から言わないで。泣いちゃうよ。」
「え…。」

社員はびっくり。

「本多さん！？」

ナオキは、

「私の愛する妻です。」
「そんな…本多さんは確か一度で産休したり、旦那さんと名乗る人見ました…。」

一人の女性は言う。ナオキは、

「…息子は一人っ子ではないです。弟がいて、そしてもう一人、お腹にいます。きっかけを与えてくれたのは、下の息子とお腹の子と恩人とその子供達との再会があります。そして、旦那説は、思い当たる人いますか？」

義人は、

「…ふぅ、同意を求める気ですか。あの影武者のせいで理由を知ってる当時新婚、二人目妊娠中のそっくりな妻には泣かれるし、嘘をつくのもリスク多い。」
「…あの気の強い人が？」
「人の妻に向かって…。」
「…姉が泣いてたなんて。」
「実の妹の前で泣き顔なんて見せられますか？まあ、そこがカワイイ所ですけど。」
「…ごめんなさい。」
「大丈夫ですよ。今は気の強いお母さんですから。でないと９人も扱えないでしょう。」
「……。」
「こうして公表する事は妻もぶよ。妹の苦しんでる姿を見て悩んでいましたから。これでも心配でしたよ。幼なじみですから。ホッとした。親に縛られて。本当のキモチ知りたかった。」
「…辛かった。毎日のように泣いてるのを見ていたから。これで全て解かれた。この歳で父親への反抗。