新月の夜
麻友美の妊娠
次の日、空き時間、麻友美と悠太はふたりきり。

「どうした?最近おかしくないか?元気ないみたいだし、休憩になるなり変だ。」
「…うん、何だかわからないの。今までに感じたことのない感じ。仕事中は気力でなんとかなってるけど気が抜けるとどっと疲れるの…。」
「ゆっくりしてるんだ。何とかする。」
「でもみんなに迷惑かかる…。」
「麻友が辛い顔してる方が心配だ。」
「ダメだよ…。」

麻友美はふらっとする。

「麻友?」

悠太は受け止める。

「無理するな…。」
「頑張れるの…。」

気を失う。

「麻友!?」

悠太は麻友美を寝かせて、あつきを捜し、見つける。

「麻友がおかしい。急に気を失った。」
「え?」
「今は寝かせています。」

あつきは、

「すぐに行く。どこにいるんだ?」

悠太は案内する。


控室。麻友美は、

「ごめんなさい…お兄さんにも迷惑かけて…。」
「いいですよ。このお坊ちゃんのほうがたいていの迷惑の根本ですから。」
「悪かったですね…。それよりお坊ちゃん、」
「…ですからその呼び方やめてください。」
「じゃあ悠太くん。彼女をどれくらいのサイクルで抱いてます?」

麻友美は赤くなる。

「…そりゃ休みが多いけれど…それなりに…。」
「まぁ、勘ですけど調べてみたらどうです?」
「……。」
「不安なら史奈に買わすよ。史奈なら阿由葉いますし、二人目と思えばおかしくないし。…まあ、私はすぐに二人目にはいきませんよ。」
「……。」
「帰りにうちにおいで。おかしくないだろう。」


仕事が終わり、送るついでに、麻友美をあつき宅へ。あつきは、

「隣、帰って来てる?」

と聞く。

「お義兄さん達ならまだみたい。」
「…ならいい。これは秘密だ。」
「で、なんで買えって頼んだの?私は阿由葉産んだばかりでそんな気配なんてないわ。」
「まあ、中で話そうか。入って。」

史奈はびっくり。


居間。

「阿由ぅ〜。」

あつきは阿由葉を抱いている。

「…親バカだなぁ。」

悠太は言う。史奈は、

「誰でもこうなるんじゃないかな。お父さんは?」
「…奈央にべたべたですよ。キスするは、頬擦りするは、母さんも母さんでそれ
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