新月の夜
を注意せずににこにこ見てて、あんなのでいいの?と聞いたら、じゃあママは悠に甘えちゃう。とノリノリ。兄さんもグルになってくるんですよ。」

あつきは、

「彼女を調べて欲しいんだ。だから頼んだ。」

史奈は、

「…だと思った。顔色悪いね。だから彼氏も連れて来たのね。」
「……。」
「尋問してくるわ。あつきは彼と阿由葉構っててね。」


トイレに二人きりの麻友美と史奈。史奈の手には検査薬。

「まず聞くけど、生理来てる?」
「…先月来たかな…?」
「さて、始めようね。」

麻友美は史奈の指示に従う。


「え…。」

麻友美は言葉を失う。史奈は、

「キモチは?」
「…嬉しいです…でも、どうしよう。悠は喜ぶのかなぁ。…みんな、聞いたらどう言うの?…不安。怒る?失望する?パパやママやお兄ちゃんにや祐貴…。悠のお父さんやお母さん、お兄さん。伯父さんに伯母さん。絢ちゃんに沙織に美里、弓削君に誠治君。絢ちゃんのお兄さん。」
「何で彼氏の伯父さんや伯母さんまで?」
「…お兄ちゃんの会社の人です。」
「え?」
「…実は、お兄ちゃん、悠のお父さんの会社の社員で。…私、どうしたらいいの…。」

史奈は、

「大丈夫よ。抱いてあげる。」

きゅっ。

「頑張って生まれてくるのよ。これはね、ある人からの教え。」
「ある人…ですか?」
「そうね、あなたのお義母さんになる人ね。彼のお母さん。素敵な人よ。飾らないし。彼も似てるわね。彼は心配してるわ。もし拒んだら殴ってあげる。ね?」
「…はい。」


戻る。

「麻友?」

悠太は心配してる。あつきは、

「史奈、当たり?」
「…うん。あなたの予想通りね。」
「え…。」

悠太はびっくり。

「本当に!?」

悠太は麻友美に尋ねる。

「…うん。」

あつきは、

「悠太くんの感想は?」
「嬉しいです。」
「そうじゃなくて、麻友美さんを妊娠させたんだから。」
「結婚しよう。」

悠太の一言に麻友美は涙。

「これからが大変ですよ。周りを考えないとね。」
「…怖いけど父さんに言います。2代そろってデキ婚…麻友の両親にも話します。お兄さんや弟くんにも、みんなにも、責任は取ります。麻友を妊娠させたのは僕です
< 180 / 257 >

この作品をシェア

pagetop