新月の夜
言えとか言わないで。私はお兄ちゃんを悪者にできない。私、お兄ちゃんをきちんと守れたかなぁ。」

絢美は泣く。亜希は絢美の頭を撫で、

「よくできました。ごめんな。苦しめて。」
「いいもん。家帰ったらただじゃおかないもん。」

亜希は、

「覚悟してます。」
「…私が幼い頃、いつものようにお兄ちゃんおんぶしてくれたでしょ。私はいつもお兄ちゃんに守られてる。」
「姫を守るのが仕事だ。」


家に帰る絢美と亜希。帰ったら、Faxが届いている。

妹泣かしたな〜、BY、あきと&あつき。
「あ…。」

見つめ合う。くすくす笑って、

「あ〜あ、怒られる。」

また届く。

絢美、新曲よかったよ。あの女のコタイプ〜。番号知ってる?BY、あつき。

「…あいつバカだ。」

絢美は、

「まゆたん、ゆうちゃんの虜だから。」
「ゆうちゃんは誰だ?」
「…あ、言っちゃった。」
「知ってるな。」
「…。」
「どの男だ。」
「知〜らない。」

絢美は亜希に抱き着く。

「うわっ!?」
「私を泣かした制裁。」

亜希は、

「そんな制裁だったら何回も受けてやる。」

ぎゅっ!

「やっぱりお兄ちゃんの胸の中落ち着く。」
「…複雑。」
「別の女の人がいい?」
「彼女はまだいいよ。」
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