新月の夜
麻友美は。

「…やめて。思い出したくない!」

すると男は振り向いて不意のキス。

「ん…!?何するの…。」

戸惑って、後ろへ下がる。

「あいつらの痕、消してやった。」
「…そんなの理由にならない!」

胸にキスがおりていく。

「あぁっ!?」

麻友美が甘い声を上げる。男の理性は切れ、はだけたタオルを取ろうとする麻友美を押し倒す。

「あっ…あぁ!!」

麻友美の声。それだけで男は頂点までいく。男は麻友美を力の限り抱く。


麻友美が気付くと、ベッドの中にいる。

「う…。」

男は乾いた服を着ている。

「起き上がるな。見たくない。服が乾いてる。向こう向いてるから着替えろ!」

麻友美は着替えてる、

「私…何してたの?記憶がない。」

男はギクッ。

「…知らない…気付いたらここにいた。」
「まさか…襲って。」
「…。」
「最低!」

男は、

「チビに欲情する程飢えてない!」

麻友美はイライラ。

「知らない!」


別れる。

「何なのよあの憎たらしい男。」

麻友美はイライラ。


一方、男は。

「よかった…覚えてなくて。知れたら嫌われるだろう。あぁ…残ってるあいつの体温、声…。…好きだ。煩わしい。まさかなんて言えない…。気がついたら、全裸のオレの横に、気を失ったあいつが。あいつから血が出てて、周りにはオレの精液が…精子が!?…きっとあいつの中へ…どうか傷つけないでくれ!?」


麻友美は家に着く。鍵は閉まっている。合い鍵、入る。こそっと階段を上る。すると、

「…姉さん朝帰り?」

弟だ。

…ギク!?

「あ…雨降ってて傘なくてなかなか帰れなかったの。」

言い訳。

「ふ〜ん。おかえり。」

ぎゅっ☆

弟は麻友美を抱きしめる。

「ただいま、祐貴。甘えん坊さんね。」
「うん☆」

弟は、

「男の臭い…。」

と呟いて、

「姉ちゃん。」
「ん?」

ふぅ。

耳に息を吹き掛ける。

「あっ!?」

やらしい声をあげる。

「何するの…?」
「ただ、からかっただけ。」
「…。」
(やはり男の影あり、敏感だね。男仕様にされてる。
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