新月の夜
あさみとナオキ
家、

「父さん、何を企んでいる。」
「悠、聞いたのか。理由を聞きたい。」

母親が、

「まあまあ、いいじゃない。」

止める。父は、

「大事な息子だ。」
「…。」
「息子の仕事仲間にも挨拶してみたい。悠も21になろうとしている。女のコがいるなら、見定めるというか、嫁候補くらい探さなければ。」
「余計なお世話だ。」


悠太は部屋に行く。母親が来て。

「悠太…お父さんも心配しているの。わかってあげて。恥ずかしいだけ。」
「…。」
「息子だものかわいくないわけないじゃない。ママだって悠のこと好き。かわいい息子。」
「母さん。父さんに19の時に妊娠させられた。父さんセックス好きだろ。そんな父さんの息子なんて好きになれるのか。」

母親は、

「違うの!ママのせいなの。パパはいい男よ。パパからなんてなかった。ママが求めたの。…話すわ。私とナオキさんが出会った時、私は16だったわ。」
「…若。」
「一目ぼれよ。ナオキさんしか見れなくなった。高瀬のお姉さんに誘われて、私は大学の文化祭に行った。」


「高校生になったんだからいてもおかしくないから。志願したがってる風に見えるし。」
「…はい。」


文化祭。姉といる。あさみは男5人組とすれ違うといきなりぼ〜っとする。姉は、

「あさみ?…あさみ。」

涙うるうる。
それからもあさみはぼ〜っとする。姉が、

「あ〜さ〜み。」

手を目の前でふっても上の空。姉は、

「あさみ、座ろうね。」

ベンチ。そこへ、

「本多さん、横の高校生誰?男が話し掛ける。」
「妹、かわいいでしょ?」
「へぇ。本多さんの妹ちゃんなんだぁ。」

あさみは偶然顔を上げる。

「!?」

見つめる。

「本当だ。かわいい。」

あさみは姉の腕をきゅっと握る。
呼び出し。姉は、

「あれ?呼び出し?」

姉は男達に、

「少しだけあさみ預かってて?お願い。手を出したら許さないから。あさみは純粋だから。わかった?」
「…はい。」

5人の男は言う。姉は去る。

「…こえ〜。」
「仕方ないよ。お姉さんだし。」

一人の男はあさみの逸れない視線に気付く。男は優しく、

「何か顔についてるかな…。」
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