新月の夜
何より本人の意思が大切だ。強要しない。」
「…。」

悠太は黙る。

「いきなりで驚いたか。私も思いもよらぬ再会に驚いている。」
「…。」


休憩。悠太と麻友美は二人きり。

「悠?」
「…どうしたらいいかわからない。母さんから、聞いたんだ。まさかとは思った。」
「何でお母さんは逃げたの?愛されているのならそんな必要ない。」
「…呪いだ。呪いを知らなかった母さんは19で兄さんを身ごもり、父さんに告げた。男だと、呪いは継がれる。…自分で育てていこうと。探し当てた時には母さんのお腹は大きくて、父さんは、キモチと、呪いを話した。」
「…。」
「人が羨むような家庭じゃない。真実を話したいさ。麻友を愛してる。」

ちゅっ。

「いいの。私は悠が好き。」
「…そんなこと言われたら襲いたくなる。」
「…え?」

キス、

「…やめて!」

止める。

「仕事中なの。」
「わかってる。」
「絢ちゃんやお兄さん達にも知れてるじゃない。私が悠だったら、こんないい出会い。大事にする。」
「付き合うのか?」
「違う。仲良しでないと。お父さん、きっと喜ぶ。出会いを大切にすればいい。」


「麻友ちゃんごめんね。」

絢美は謝る。

「絢ちゃんが謝らなくてもいいよ。子供同士が会えるってすごい確率だよ。」
「でも…。」
「絢ちゃん大好き☆」

ぎゅっ。

「悠は渡さないよ。私の愛をあげる。あの変態に絢ちゃんに近づけさせますか。へへっ。」

麻友美と絢美が仲良くじゃれていて。美里や沙織も入れて?とねだって、悠太と弓削と誠治がいいなぁ…。という目で見てて、兄2人はくすくす笑っているのをこそっと見た悠太の父は、

「日常か…。」

「いいでしょ。もし、触れでもしたら。監視2人の鉄拳がとぶよ。」
「お兄ちゃんそんなに怖くない。」
「わかんないよ〜。麻友の兄さんの威力だってすごいよ。」
「同感。」
「…最低。」

亜希は絢美をひょいっと持ち上げ。

「姫には優しいですよ。姫を狙う者には厳しく見ますよ。姫に優しい人は好きですから。ねぇ、姫。」
「…お兄ちゃん、いい人見つけてもいいんだよ。」
「あつきは、兄さん頑固だから。でもはっぱかけるより自然に任した方がいいかも。慎重にするさ。
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