新月の夜
少しは認めて欲しいですよ。ねぇ、妹。」

絢美は、

「お兄ちゃん時々ちょっかい出すもん。それに、あきにぃはあつきにぃに比べて優しいし、紳士だし、真面目だし。」

あつきは、

「兄さんと比べられたら勝てる訳ないだろ。」

悠太の父は、3兄弟か。

「私は妹と弟がいますから。仲良しはいいことだ。やきもちやかせるくらいがかわいいものだ。ところで二人、あきとか言ったなぁ。」
「はい。牧野亜希と申します。弟はあつき、妹は絢美といいます。」
「…そうか。」

悠太は、

「父さん、何か知って?」
「…母親の名は実果子ではないか?〇〇市の。」

亜希は、

「はい。母の名前は実果子で実家は〇〇市にあります。」
「…そうか。」
「父さん?(悠)」
「…大きくなったなぁ。まだ幼かったのに。」
「え?(悠、和、亜、あ、絢)」
「私も年をとるはずだ。妻を気に入り、ピッタリくっついていたあの子供が、こんか立派なお兄さんになるなんて。妻は喜ぶぞ。」
「…まさか、この前母さんが話してた妊娠してた母さんを温かく包み込んでくれた3人の子供の母親って。」
「ああ。確かに覚えてる。妻を、真ん中の男の子が気に入り、妻に甘えた。」

亜希は、

「真ん中って…。」

あつきは、

「兄さん男の中で真ん中だよね。…母は、私が1つの時に、妊婦さんを気に入って、離れなくて、0さいのあつきを抱いた母もびっくりしたといつものように笑いながら話してました。」
「…妻は、不安になって逃げていた時があって。上の息子が幼い時、妻と会いに行ったよ。下の息子の妊娠と、仕事が忙しくなって会いに行けなくなった。手紙のやりとりはしている。」
「母は会えないのは寂しいですが仕方ないと言っていました。でもいつか会いに行きたいと。」
「…ああ、次の子がどちらかが女の子で、どちらかが男の子なら、将来を誓おうと言ったものだ。」
「え…。」

(あいつの彼女は…ここに)=あつき&亜希。
(そんなの悠ちゃんには麻友ちやんが…)=絢美。
(悠太は麻友美ちゃんを妬くぐらい…)=誠治&弓削、
(…。)=麻友美。
(父さん…。俺にはもう。それに、手を出したらあの2人に何されるか…)=悠太。
(あらあら悠ちゃん、彼女ならもらっちゃうぞ。)=和也。

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