オチビな理由
「ねぇ、お母さんって、子供のころ背低かった?」
「え?うーん…どうだったかしら?低すぎないし高すぎもしなかったと思うわよ。今だって165センチだし。どうしたの?突然そんなこと聞いて」
「……ううん、何でもない。おやすみ…」
母の何気ない応答にショックを受けつつ、あたしは自分の部屋に戻った。
風呂あがりでぬれた髪のまま、部屋の明かりも消さずにベッドにもぐりこんだ。
そうしていると、小憎らしい先輩のことばかりがぐるぐると頭の中を駆けめぐりだす。
何にも考えたくなくて、あたしは頭の先まで布団をかぶって瞼をきつく閉ざした。