報復サイト~正義の死(バツ)を~
  

「とりあえず。今日は、旅館に帰ろう。」


 愛未は、兄にそう言い聞かせた。


「そう…だな。続きは明日にしよう。」


 悟が言って立ち上がると閲覧室の全ての電気が切れた。


「行きましょ。」


 愛未は、兄を支えてそっと閲覧室を出た。



「忘れ始めていたのに……。」


 渚は、言って畳にへたりこんだ。



『私は…忘れさせない。だって…私は、あんなにも苦しめられた…。』



 渚は、姿無き声に怯えて泣き始めてしまった。



『泣いても許さない。…お前は…私に何をした?…私は…全てを…覚えてる…。覚えてる……?』



 渚は、耳を塞いで聞かないようにしていた。しかし、姿無き声はそっと静かに迫る。


  
< 104 / 352 >

この作品をシェア

pagetop