報復サイト~正義の死(バツ)を~
  

 女はそう言って頭を下げた。思いきりぶつかったのに御膳は無事だった。


「あの、兄を見ませんでしたか?」


 愛未は我に返って聞いた。女性は首を振った。愛未は、走って部屋を出た。


「お客様、お食事は?」


 愛未はその声に気がついてはいなかった。


「えっ、代理女将がいない?」

 悟は、フロントの青年に聞いて驚いた。


「はい。女将は具合が悪くてお部屋にも入れてもらえないのです。」


 フロントの青年は、困り顔で訴えるように言ってきた。


「そうですか。ではしばらくは女将不在ですか?」


 悟は詳しく聞く。


  
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