報復サイト~正義の死(バツ)を~
  

 沙織は、“自分”を取り戻す為に戦っていた。
 侑菜の亡霊よりも自分の意識を取り戻さなければ“自由”はないと…沙織は、確信していた。


「せん……せっ…、助けっ……て…。」


 沙織は、中に入って来た医師に掠れる声でなんとか言った。
 医師は、急いで沙織を介抱する。


「せん…せい……お願い…よ……。名前…名前を……呼んで…。」


 沙織は、言ってしがみつく。医師は、頷いて


「内橋さん。内橋さん。」


 医師は、何度も言う。
 沙織は、医師に呼ばれながら自分の意識をはっきりさせようとしていた。


「ワタシ……私…は、内橋…沙…織……。」


 沙織は、搾り出すように言った。医師が頷いた。沙織は、ゆっくりとベッドから降りた。
 医師も、ホッとした。


  
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