報復サイト~正義の死(バツ)を~
  

 愛未は、丁寧に伝えた。


「手を…引け…」


 ノイズは、全く良くなっていない。やはり、聞き取りにくい。


「どちら様ですか?」


「お前は、手を引けぇぇぇぇ!」


 低い低い唸るような、声に驚いて受話器をおろした。


 ピッ-!


 火にかけていたヤカンが鳴いて我に返った。
 それにしても、恐ろしい電話だった。酷いノイズも、気になった。愛未は、忘れることにした。そして、兄にコーヒーを持って行く。


「お兄ちゃん、コーヒー飲んで一休みして。」


  
< 75 / 352 >

この作品をシェア

pagetop