恋するキャンディ~私だけの甘々不良彼氏
「何か不満か?」

「…別にぃ」

心を見抜いたのか、絹川くんは私ににじり寄ってくる。

「妬いてほしーワケ?」

「違います~」

隣に座ってきて手を伸ばし、肩を組まれる。私の肩にそっと頭を乗せると、ため息ひとつ。

絹川くんの柔らかい髪が頬にあたり、少しくすぐったい。

「天はぁ、自由奔放なヤツだから…かなり色々目ぇつぶってんの。さやが昨日の子を大切に思うよーに、オレも天が大切。

天か、さやを選べって言われたら…オレ多分選べねー」


軽くショック。

そうなんだ。

…へぇ。



絹川くん、初めから私に対して一歩も怯まないし、私も少しおごってた。

そんなに私の事好きでいてくれるなんて…って思ったけど

天ちゃん先輩と同じ天秤にかかってる。




「そうなんだ。じゃあ、天ちゃん先輩と付き合う事になったら、絹川くんは祝福してくれる?」

一瞬絹川くんは、息を呑む。

…あれ?

否定も肯定もしない。



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